先日のテレビで、「お茶でうがいをするとアルツハイマーの予防になる」という放送をしていました。お茶は体に良いと昔から言われていますが、お茶にはどんな成分が入っているのでしょうか。
お茶の栄養成分
カテキン
お茶の「渋味」「苦味」を作り出している成分で、ポリフェノールの1種です。
エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの4種類があり、お茶成分の10~18%を占めます。
湯呑1杯のお茶に溶け込んでいるカテキンは70~120mgです。
カフェイン
お茶の「苦味」を作り出している成分です。
疲労回復、覚醒効果、大脳刺激、強心作用、利尿作用などがあります。
湯呑1杯のお茶に溶け込んでいるカフェインは、30~50mgです。
テアニン
お茶の「旨味」「甘味」を作り出している成分で、茶の葉にだけ存在します。
カフェインの作用を穏やかにし、脳の神経細胞に作用してリラックスさせる「ヒーリング(癒し)効果」があります。
ビタミンC、A(カロテン)、E
ビタミンCは、風邪の予防や美肌効果があり、ホウレン草の3倍近く含まれています。また、お茶に含まれるビタミンCは熱に強いという性質を持っています。
お茶に含まれるカロテン(体内でビタミンAと同じ働きをするもの)は、ニンジンの10倍です。
老化防止に効果のあるビタミンEも含まれます。
※ビタミンA,ビタミンEは脂溶性のため、お茶には出てきません。摂取するにはお茶の葉を食べましょう。
食物繊維
大腸がん予防に効果があるとされている食物繊維は、水に溶けるものととけないものがあります。
お茶に含まれる食物繊維の多くが水に溶けないタイプです。しかし、葉をそのまま粉末にした抹茶なら、食物繊維をたっぷりとることができます。
フッ素
歯の表面を強くし、虫歯にならないための抵抗力をつける成分です。
また、お茶にはカテキンも含まれているので、虫歯の原因になるミュータンス菌の増殖と、歯垢ができるのを防ぎます。
ミネラル
新陳代謝が円滑に行われるために必要な栄養素です。
お茶は、カリウムが豊富です。カルシウム、リン、マグネシウム、鉄なども含まれています。
ミネラルは、血液のアルカリ性を保ちます。お茶も野菜や果物同様、体に良いアルカリ性食品と言えます。
サポニン
朝鮮人参や紫胡などの漢方薬の主成分です。
鎮静、鎮痛、インシュリン作用、中枢神経興奮作用、抗疲労効果、精力増強、脂質低下作用、強心作用、血栓予防作用など、さまざまな効果を持っています。
お茶には、0.1%のサポニンがふくまれています。これは、納豆に含まれる割合と同じです。
アツアツのお茶でも、ビタミンCたっぷり
お茶のビタミンCは熱に壊れにくいという性質があります。
これはお茶に含まれるカテキンが、ビタミンCを熱から守っているからです。
お茶なら、熱いお湯でもビタミンCがたっぷり摂れるのです。
参考文献:日本茶スタイルブック
編集:日本茶インストラクター協会
発行:㈳日本茶業中央会