本日の地元新聞に興味深い記事が2つありました。
岡谷市が岡谷産シルクのブランド化に向け「岡谷市養蚕担い手育成」という記事と地域ブランドを守る地理的表示(GI)保護制度に基づき登録された愛知県の特産品「西尾の抹茶」が生産団体の要望で対象から外れた記事です。

ブランドについて思うこと

ブランド化を目指すものと、ブランドの縛りから逃れようとするものの記事が同じ日に掲載されました。(別の新聞です)

岡谷市のシルクブランド化

 岡谷は明治から昭和の初期まで、シルクの町として栄え、日本の近代化に大きな貢献をしてきました。しかし、現在では、岡谷の隆盛を知る人も少なくなりました。
 岡谷のシルクを、岡谷産の繭を使い岡谷で製品化してブランド化しようとする取り組みが岡谷市により進められています。
 今日の記事は、岡谷で一人しかいない養蚕家を増やすべく、養蚕の担い手を育成する事業についてでした。

「西尾の抹茶」取り消し

  地域ブランドを守る地理的表示(GI)保護制度 はコストがかかる伝統的な栽培法に縛られ、高値販売を迫られ経営が苦しくなると、生産者団体に判断されたようです。
 国内外で健康志向が高まり、抹茶市場は拡大傾向にあるが、高額の西尾の抹茶は伸び悩んでいるようです。
※GIは伝統的な生産方法や気候・風土といった地域特性を生かした農林水産物・加工品の名称を知的財産として保護する制度。

ブランドについて思う

 2つの記事をみると、ブランド化するまでのアクティブ部分と、それを維持するネガティブな部分が感じられます。ブランドが確立されると強力な力を発揮しますが、同時にそれを維持する努力が欠かせないものとなります。やがて、いつかはブランド力も衰えていくものだと思います。

店のブランド化

 そんなことを考えている私も、何とか店のブランド力を上げようと自家焙煎ほうじ茶を作ったり、量り売りにこだわったりと、試行錯誤しています。
 ブランドの強大さは、店名を変更したときに痛いほど経験しています。店名を変えて20年以上たちますが、いまだに旧店舗名の方がブランド力があると思います。
 小売店が生き残る道はブランド力をつけることだと思いますが、いまだ迷走中です。