茶の仕上げ加工のなかに火入加工れがあります。
火入れについて
火入れの目的は、荒茶を乾燥し、貯蔵に耐えるようにすることや加熱により火入れ茶特有の芳香を生成させ、香味を向上させることにあります。
火入れ香
火入れによる香りを火入れ香といいます。
火入れ香を強くつける場合は、茶の温度が100℃以上になるようにします。火入れ香をつけずに乾燥を行う場合は100℃以下にします。
火入れ茶の芳香は、糖とアミノ酸の加熱反応で生成しますが、強く火入れをすると茶の褐変は避けられません。
耐熱陶器で煎茶を焙煎してみます。
焙煎は、何kgというような多量で行うと、均等に火入れすることが難しいですが、何g程度の少量なら、そこそこできるのではないかと思い実験してみました。
直径36cmほどの信楽焼の焙烙を使い、20gの煎茶を火入れしました。
焙烙 をコンロで5分ほど加熱した後5分冷まして、焙烙の中央部分を200℃周辺部を120℃ほどにしました。
20gの煎茶を焙烙に広げ、3分位振って火入れをしました。この時茶葉の温度は140℃になりました。このまま5分ほどおいておき、茶葉の温度は95℃になりました。
火入れ後のお茶からは、火入れ香がします。
火入れ前後比較
火入れ時に茶葉の温度が140℃になっていたので、茶葉が少し褐変しています。
上澄みも、少し黄色が強い感じです。
香は火の香が出ています。
味は、渋みが少なく香ばしさを感じます。
結果
今回の設定では、煎茶として飲むには火が入りすぎている感じです。
次回は温度をもう少し下げてやってみたいと思います。