昨日のお茶講座の中で、「持ち手を下にして立つ急須は注ぎやすい」という説について質問がありました。しっかりした説明ができなかったので少し調べてみました。

立つ急須 立たない急須

まずいろいろな急須で、立つかどうか実験をしてみました。

立った急須

立たなかった急須

さまざまな急須を試してみました。
立たなかった急須ももう少しで立ちそうな感じで、全くバランスの取れない急須はありませんでした。

資料から調べてみました。

静岡県茶業会議所発行の冊子には、「産地ごとに伝統的に受け継がれてきた様式や形があり、必ずしも立つものばかりではありません。」という記述があります。

萬古焼急須作家の山本広巳さんの冊子には、「全く意味のないことです。何よりも急須は蓋を被せて使います。本体だけの問題ではありません。」とあります。

お茶屋の考察

自分なりに考えてみましたが、山本さんの言う通り、急須は蓋をして使いますし、お茶やお湯を入れます。蓋無しの急須が立ってもあまり意味のないことだと思います。
また、実験した結果、立たなかった急須ももう少しで立ちそうな感じで、立った急須との差が使用感に影響することはあまりないと思われます。

立った急須も立たなかった急須も、ほぼ持ち手を下にしてバランスが取れています。急須を使う上でこのバランスは必要なことと思われます。

お茶屋として昔から様々な急須を見てきましたが、持ち手の角度が気になる急須があります。知らず知らずに急須のバランスを見ているものと思います。バランスの悪い急須は、なんとなく使いずらそうに見えます。

急須を買うときは、手に取って違和感のない急須を選ぶことが大切なことと思います。