関東を直撃する最悪のコースを取りそうな台風19号の接近で、空模様が変わってきました。明日はどんな天気になるのでしょうか。

こんな日は、静かに急須の話でも。

道具としての急須
道具としての急須

 急須は、茶道具です。食器とは言いません。お茶を淹れる道具です。
大工さんが使うのこぎりや、金づちのように道具なので、使いこなすことが必要になります。使い続けていくうちに、どんどん手になじんでいって、自分の道具になっていきます。

 自分の道具になってしまえば、自信をもってお客様にお茶を淹れてあげることができます。そうなってしまえば、これはオモテナシの時の大きな武器になります。
 簡便さばかりを追求する世の中で、急須で淹れるお茶は素敵な時間を演出してくれると思います。

道具としての急須
道具としての急須

 近年、お茶の産地で有名な静岡でも急須の無い家があるそうです。急須をいきなり火にかけたり、急須自体を知らない子供も増えているそうです。
 準備から、片付けまで手間のかかる急須ですが、急須で淹れたお茶は淹れた人のオリジナルなお茶です。他にない、心のこもったお茶で大切な人をオモテナシしましょう。

 という私も道具としての急須を完璧に使いこなしてるとは思いませんが、一煎、一煎心を込めて私の味でオモテナシをしています。
 「急須で淹れるお茶」という日本の文化を、特殊な人の趣味にならないように、改めて広く普及させていくことが必要だと思います。